【怪人二十面相】(六.樹上的怪人)江戶川亂步|日漢對照
作品︰ 怪人二十面相(六.樹上的怪人)
作者︰ 江戶川亂步
翻譯︰ 小說熊 (日本小說翻譯室)
原文︰ 青空文庫【怪人二十面相】
それから、池の岸で、どんなことがおこったかは、しばらく読者諸君のご想像にまかせます。
在這以後,池塘邊發生了甚麼事?這就暫時留待各位讀者自行想像吧。
五―六分ののちには、以前の松野運転手が、なにごともなかったように、同じ池の岸に立っておりました。少し息づかいがはげしいようです。そのほかにはかわったところも見えません。
五六分鐘以後,剛才提及的司機松野已經若無其事地站在池塘邊,看來他有一點喘氣,除此以外,也沒有甚麼不尋常的地方。
彼は、いそいで
他快步走向大宅。但究竟發生甚麼事呢?他走路時一捌一捌的。但即使如此,他卻依然不疾不徐地穿過花園,走近大門。
表門には、ふたりの秘書が、
大門前站著兩名秘書,他們手中都拿著像是木刀的東西,煞有介事地守在門前。
松野はその前まで行くと、何か苦しそうにひたいに手をあてて、
松野走到他們前面時,突然把手按在額前,似乎有些不適。
「ぼくは
と、力のない声でいうのです。
「我好像有點發燒,看來受了風寒。請讓我休息一會吧。」松野無力地說。
「ああ、松野君か、いいとも、休みたまえ。ここはぼくたちがひきうけるから。」
秘書のひとりが元気よく答えました。
「嗯,松野,這當然沒有問題,你就好好休息吧。我們在這裡守著就可以了。」其中一位秘書朗聲回答。
松野運転手は、あいさつをして、玄関わきのガレージの中へ姿を消しました。そのガレージの裏がわに、彼の部屋があるのです。
司機松野點一點頭,走進大門旁的車房。他的房間就在車房的後面。
それから朝までは、べつだんのこともなくすぎさりました。表門も裏門も、だれも通過したものはありません。
直到早上,大宅內都沒再發生甚麼特別的事。沒有人曾經穿過大宅的前門或後門。
塀外の見はりをしていたおまわりさんたちも、賊らしい人かげには出あいませんでした。
在圍牆外駐守的巡警也沒有看見任何可疑人物。
七時には、警視庁から大ぜいの係官が来て、邸内の取りしらべをはじめました。そして、取りしらべがすむまで、家の者はいっさい外出を禁じられたのですが、学生だけはしかたがありません。
到了早上七時,大批警員從警察總部來到大宅進行調查。在調查期間,除了學生以外,家中各人都不許外出。當到了上學時間,早苗這位門脇中學的三年級生和壯二這位高千穗小學的五年級生就跟往常一樣乘坐汽車上學。
運転手はまだ元気のないようすで、あまり口かずもきかず、うなだれてばかりいましたが、でも、学校がおくれてはいけないというので、おして運転席についたのです。
司機一直低頭不語,看來身體還是有點不適。然而,上學時間不能耽誤,於是他勉強坐上汽車的駕駛席。
警視庁の
警察總部的搜查科科長中村首先來到書房。他在這犯案現場仔細聽取了屋主壯太郎叙述事件的經過。然後,他對屋內的每個人進行了粗略查問,並在花園裡進行了搜查。
「ゆうべ私たちがかけつけましてから、ただ今まで、やしきを出たものはひとりもありません。塀を乗りこしたものもありません。この点は、じゅうぶん信用していただいていいと思います。」
「從昨晚我們趕到這裡到現在,都沒有一人曾經從大宅離開,也沒有一人曾經翻過圍牆。關於這點,你可以對我們絕對信任。」地方警署的主任探員斬釘截鐵地對中村科長說。
「すると、賊はまだ邸内に
「那麼說來,賊人應該仍然躲藏在大宅內。」
「そうです。そうとしか考えられません。しかし、けさ夜明けから、また捜索をはじめさせているのですが、今までのところ、なんの発見もありません。ただ、犬の死がいのほかには……。」
「是的,肯定還在大宅內。但天亮後我們再次搜索至今卻仍然沒有發現,只找到一頭狗的屍體。」
「エ、犬の死がいだって?」
「啊!狗的屍體?」
「ここの家では、賊にそなえるために、ジョンという犬を飼っていたのですが、それがゆうべのうちに毒死していました。しらべてみますと、ここのむすこさんに化けた二十面相のやつが、きのうの夕方、庭に出てその犬に何かたべさせていたということがわかりました。じつに
「嗯,這是屋主為了對付賊人而買回來的狗,名字叫約翰。牠是在昨晚被人毒死的。經調查後,我們得知昨天黃昏那個假扮少爺的二十面相曾經來到花園給那頭狗餵食物。賊人真是思慮周密。要不是小少爺設下陷阱,賊人早就輕鬆逃走了。」
「では、もう一度庭をさがしてみましょう。ずいぶん広い庭だから、どこに、どんなかくれ場所があるかもしれない。」
ふたりがそんな立ち話をしているところへ、庭の築山の向こうから、とんきょうなさけび声が聞こえてきました。
「我們再次搜查那花園吧。這花園如此廣濶,說不定還有甚麼地方可以匿藏。」當兩人站著說話時,花園裡人工山的後面突然傳來叫喊聲。
「ちょっと来てください。発見しました。賊を発見しました。」
「大家過來。找到了!找到賊人了!」
そのさけび声とともに、庭のあちこちから、あわただしい靴音がおこりました。警官たちが現場へかけつけるのです。中村係長と主任刑事も、声を目あてに走りだしました。
隨著叫聲,花園各處響起急促的腳步聲。警探們都奔向現場,中村科長和主任探員也朝著叫聲的方向跑去。
行ってみますと、声のぬしは羽柴氏の秘書のひとりでした。彼は森のような木立ちの中の、一本の大きなシイの木の下に立って、しきりと上のほうを指さしているのです。
再走近一點看清楚時,原來叫喊的人是壯太郎的一位秘書。他在那像樹林一樣的叢林中,站在一棵山毛櫸前,不停指向樹上。
「あれです。あすこにいるのは、たしかに賊です。洋服に見おぼえがあります。」
「就在那裡。他肯定就是賊人,我記得那套衣服。」
シイの木は、根もとから三メートルほどのところで、二またにわかれているのですが、そのまたになったところに、しげった枝にかくれて、ひとりの人間が、みょうなかっこうをしてよこたわっていました。
山毛櫸在離開地面三米的地方有一個分岔處。在那個佈滿茂密樹枝的地方隱藏著一個人,這個人躺著的姿勢非常古怪。
こんなにさわいでも、にげだそうともせぬところをみると、賊は息絶えているのでしょうか。
雖然如此擾攘,但賊人卻仍然一動不動,難道他已經死了?
それとも、気をうしなっているのでしょうか。まさか、木の上で、居眠りをしているのではありますまい。
還是只是失去知覺?他斷然不可能在樹上睡吧。
「だれか、あいつを引きおろしてくれたまえ。」
「快把那傢伙拉下來!」
係長の命令に、さっそくはしごが運ばれて、それにのぼるもの、下から受けとめるもの、三―四人の力で、賊は地上におろされました。
科長的命令下,各人立即取來梯子。有人爬樹,有人在下面照應。合力將賊人移到地上。
「おや、しばられているじゃないか。」
「啊!他是被人綁著的。」
いかにも、細い絹ひものようなもので、ぐるぐる巻きにしばられています。そのうえさるぐつわです。
他確實是被一根看似繩子的東西團團綑綁,他的口裡還塞著一些東西。
大きなハンカチを口の中へおしこんで、別のハンカチでかたく、くくってあります。それから、みょうなことに、洋服が雨にでもあったように、グッショリぬれているのです。
他的口中塞著一條大手巾,外有一條手巾把口緊緊掩住。他的衣服很奇怪,好像被雨水弄濕透般。
さるぐつわをとってやると、男はやっと元気づいたように、
大家拿走塞在他口中的東西,這男時人也開始恢復知覺。
「ちくしょうめ、ちくしょうめ。」
と、うなりました。
「真可惡!真可惡!」男人發出一聲聲呻吟。
「アッ、きみは松野君じゃないか。」
秘書がびっくりしてさけびました。
「呀!你不就是松野嗎?」其中一位秘書驚叫起來。
それは二十面相ではなかったのです。二十面相の服を着ていましたけれど、顔はまったくちがうのです。おかかえ運転手の松野にちがいありません。
那人不是二十面相。雖然他身穿二十面相的衣服,但樣貌跟他完全不同。一看便知道他是司機松野。
でも、運転手といえば、さいぜん、早苗さんと壮二君を学校へ送るために、出かけたばかりではありませんか。その松野が、どうしてここにいるのでしょう。
但如果是司機,剛才他不是已經駕車送早苗和壯二上學的嗎?他怎麼會在這裡?
「きみは、いったいどうしたんだ。」
係長がたずねますと、松野は、
「ちくしょうめ、やられたんです。あいつにやられたんです。」
と、くやしそうにさけぶのでした。
「你為甚麼會在這裡?」科長問道。
「真可惡,我竟然被這傢伙捉住。」松野滿肚不服地叫起來。
第六部份完
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怪人二十面相(一.序章)
怪人二十面相(二.捕獸器)
怪人二十面相(三.是人?是魔?)
怪人二十面相(四.魔術師)
怪人二十面相(五.池塘中)
怪人二十面相(六.樹上的怪人)
怪人二十面相(七.壯二的下落)
怪人二十面相(八.少年偵探)
怪人二十面相(九.佛像的奇跡)
怪人二十面相(十.陷阱)
怪人二十面相(十一.七件工具)
怪人二十面相(十二.信鴿)
怪人二十面相(十三.特殊交易)
怪人二十面相(十四.少年小林的勝利)
怪人二十面相(十五.可怕的挑戰書)
怪人二十面相(十六.美術城)
怪人二十面相(十七.名偵探明智小五郎)
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